【2020年2月13日】知らなかったこと

母の”意外な”一面に感動しました。

 

Sponsored Link


 

息子は知らなかった!父母の”夫婦関係”

24歳で上京してから、父の葬儀が行われた今日までに、俺が実家に帰った回数はとても少ない。

数えるほどしかない・・・かもしれない。

父とはただでさえ向き合わなかったし、腹を割って話をしたこともないし、そもそも父の感情に興味を持ったこともない。

なので俺は父のことを知らないのである。

「バラは赤や。真っ赤な赤や!」

と、自宅の庭でバラを一生懸命育てていたこと。

囲碁にハマって四六時中研究していたこと。

カラオケにハマってたくさん練習していたこと。

などなど。などなど。

そんなことなどなど、俺は知らなかった。

家族はもちろん知っていたし、家族じゃない人たちも知っていた。

知らなかったのは、息子の俺だけだったかもしれない。

父と母は『仲の悪い夫婦』だと思っていたけど、『仲が悪いだけの夫婦』ではなかったようで。

俺は知らなかった。

俺だけが知らなかったのかもしれない。

父が大好きだったという赤いバラをこっそり用意してくれていた葬儀屋さん。

そのサプライズに母はただただ感動。

「あー嬉しいー!!この時期、バラってないやろ!?用意してくれたんやねーおおきにー。それだけが、それだけが心残りやってんー。よかったなーおとうさん。」

と涙ポロポロ。

葬儀が終わり、出棺する前、母は冷たくなった父のおでこにキスマークをつけた。

そして自分の涙をほっぺたにベタベタとつけて、

「私の涙も連れてってー。」

と言って笑った。

「死ぬ前にお風呂も入れてあげられた。バラも用意してもらった。もうない。もう何にもない。何ひとつ悔いはない。」

と、気丈に振る舞ってみせた。

夫を亡くした妻である母を見て、俺は感動し、何も知らなかった自分にがっかりした。

何も知らなかったくせに、知ろうともしなかったくせに。

勝手に決めつけて、勝手に反面教師にして、勝手に自己憐憫にひたっていた。

情けなすぎる。

 

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmail
akira yoshida
吉田あきら ギタリスト・ソングライター・シンガー 毎月第二金曜日 ライブハウス新宿SACT!でワンマンライブを行っています。

2件のコメント

  1. ご無沙汰しております。
    15年程前、大阪遠征で吉田邸に宿泊させていただき、
    晩酌にもお付き合いさせていただきました。
    その際は、お世話になりました。ありがとうございました。
    心よりご冥福をお祈りいたします。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です