【2020年2月10日】看護師さんに感動

「お風呂に入りましょうねー。」

緩和ケア病棟のスタッフさんは4人で父の体を持ち上げました。

 
 

Sponsored Link


 

最後のお風呂

「家でお風呂に入りたいーって言うててん。」

と母は言いました。

「ここのお風呂はブクブクのお風呂やねんて。酸素マスクしながら入れてくれはるんやて。どうしても最期に入れてあげたいねん。」

と。

「すんません、お風呂入れたってもらえます?そのまま死んでもーてもかまいませんので。」

とお願いすると、看護師さんは優しい笑顔で、

「そーですね。お風呂入りたいーって言うてはりましたもんね。ほなみんなで綺麗にしましょーねー。」

と言ってくれました。

スタッフさんが4人集まって、父の体を持ち上げ、浴槽に入れてくれました。

「ムスコさんもぜひ、洗ってあげてください。」

と、ニコニコ。

絵に描いたような「骨と皮」の体を洗いました。

 

看護師さん、めっちゃやさしい

華奢な体をぎゅっと曲げて、看護師さんは父を持ち上げます。

イヤな顔を少しも見せず、患者と家族へ(言葉を選びながら)優しく声をかけてくれます。

ただただ、安らかに旅立つことができるよう、そっと心を添えてくれる看護師さんに感動しました。

とてもやさしいな、と思いました。

そして、

「これは完全に、プロの仕事だな。」

とも思いました。

ものすごく大変で、ものすごく必要とされる専門職だと思いました。

ナミのお給料ではあかん。

お医者さんと同じくらい、もしくはそれ以上のお給料と、たくさんの休日を用意すべきです。

俺が偉くなったら、そのような法律を作ったんねん。

 

宗右衛門町ブルース

父の病室が静かすぎるので、

「なんか音楽でも流そうぜ。何がいい??なんか、おとんの好きな歌とかないん?」

と母に聞くと。

「せやなあ。カラオケで宗右衛門町ブルースをよく歌ってたなあ。」

というので、Apple Musicで検索をし、宗右衛門ブルースを流しました。

「聞こえてるかー??一緒に歌えるかー??」

と声をかけたら、母はポロポロと泣き出しました。

2人きりにしたろか、とムスコなりに気を利かせて、

「腹減ったな。なんか買うてくるわ。何食べたい??」

と母に聞くと。

「せやなあ。赤飯がええわ。」

と言いました。

「え??めでたいから??笑」

と思いましたが、めでたいから食べる赤飯ではなく、ただ単純に母は赤飯(つまり、もち米)が好きなのでした。

宗右衛門町ブルースには、

「さよなら さよなら もう一度だけ 明るい笑顔を見せとくれ」

という歌詞が出てきます。

緩和ケア病棟で、宗右衛門町ブルースを聴きながら、親子で赤飯を食べている。

その場面がとてもおかしくて、

「なかなかシュールやな。」

と、ケラケラ笑ったのでした。

そして夜になり、21時09分。

父は呼吸をしなくなりました。

「さよなら さよなら またくる日まで 涙をふいて さようなら♪」

 

Facebooktwittergoogle_plusredditpinterestlinkedinmail
akira yoshida
吉田あきら ギタリスト・ソングライター・シンガー 毎月第二金曜日 ライブハウス新宿SACT!でワンマンライブを行っています。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です