プロのギタリストにとって必須のスキルの1つに『読譜』ってのがあります。
「譜面読めません」
というギタリストもいますが、オタマジャクシ(つまり音符)が読めなくても、コード譜(コード進行が書かれた譜面)の読み書きはできるはず。
一度も聞いたことのない楽曲のコード譜を現場で渡され、
「さっさとかっちょいいギターを弾いてください」
と依頼され、かっちょいいギターを弾くことができる。
それがリアルプロの仕事というものです。(そんなこともない、かもなあ。)
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暗譜の効能
言うまでもなく、俺はもはやプロじゃないっす。
俺ごときが、プロのギタリスト気取りなんて、笑わせるな小僧!であります。
ただ。
俺はギター自体が好きで、ギターを弾くことが好きで、実はそこそこ自信があったりもする。(歌伴に限っては・・・)
「プロ以上のアマギタリストとしてかっちょいいギターを弾いたるど!」
と決意する時。
何すんの??どーすんの??
と、自問自答したのが、先日伊吹留香ちゃんのライブにギターサポートとして参戦することが決定した時です。
事前にどの曲を、どのような曲をやるかが決まっているライブです。
事前に譜面もいただいております。
本番前のリハ時間は3時間もある。
楽譜になんて頼らないど!!
しっかりと楽曲の真髄・ソウルを自らの血に流し、留香ちゃんの命を削って生まれた楽曲を少しでも”より素敵に”できるように尽力するのだ。
ということで。
プロを上回るアマギタリストになりきって、1ヶ月前から準備をスタートさせました。
60本のツアーに出るわけでもなく。
2時間のステージを背負うわけでもなく。
8曲40分のブッキングライブのために1ヶ月前から準備をすることができる。
こんな恵まれた環境はアマならではです。(感謝しております。)
とにかく、楽曲を隅々までたくさん聞きました。
作者がイメージしている”景色”を想像してみたり。
アレンジしたバンドメンバーたちの、プレイヤーとしての”心境”などを想像してみたり。
自分が考えたアレンジをできるだけ客観的に眺めて修正してみたり。
いざ、本番を終えた今、自らを評価するとすればそれは40点くらいです。
暗譜(あんぷ。楽譜を覚えること。)をしたおかげで、この点数。
もし、譜面に頼って、本番中に譜面とにらめっこしていたら、きっと2点以下だったでしょう。
振り返れば、
「アソコはこう弾きたかった。」
「アソコはもっとこう弾けた。」
などなど思うこと多々。
何より、ギタリストとしての”本番の勘”のようなものがにぶっていることを痛感しました。
反射神経がにぶっている、というか。
運動会の保護者リレーで、お父さんがコケる、みたいな。そんな感じ。
こんな俺に、またこのような機会・チャンスを与えてもらえるのなら、今度は2ヶ月前から準備するど。
そして、今回の反省点と向き合って、今回よりもずーっと『サイコーの”役割”』を果たしてやるぞ!!と、鼻息は荒めです。
ちなみに。
「決意する、ってコトほど無意味なことはない。」
という大前研一さんのフレーズが大好きです。
決意したところで、行動しなければ意味ないし、なんの”成果”も生み出せません。
そもそも”成果”って何なん??
それは。
行動に伴って与えられるプレゼントのようなものだろーな、と思っています。
いくつかあるであろう、その”成果”の1つ。
ライブ後にグビっとやるビールがうまいかどうか。
それも美しいモチベーションと言えるでしょう。
歌詞やコードは手書きする
留香ちゃんライブでギターを弾くにあたり、丁寧でわかりやすい譜面を事前にいただいておりました。
が。
暗譜するにあたっては、自分で手書きしました。
人様に見せるにはあまりにも雑で読みにくいレベルかとは思いますが、自分しか見ないし、目的は読譜なわけですし、俺さえ良ければいいのです。
この『手書き』。
最近の俺が重要視していることの1つ、なのであります。
ほぼ同じ理由で、自分のレパートリーにあるカバー曲の歌詞も「手書き」してファイリングするようにしています。
この手間暇が、楽曲に対する”敬意”をより強めてくれるような気がしているのです。
誰か様の曲をカバーさせていただく際、ネットには歌詞やコード、その押さえ方やら弾き方まで瞬時に調べられます。
一瞬で完璧な答えを得られます。(まちがっていることも多いような・・・)
ってところに、『俺にとっての罠』が潜んでいると考えております。
時短=悪、です。(そんなことない。)
便利さは学習するチャンスを奪います。(俺にとって、ね。)
カバーをする時は、まずはその楽曲を隅々まで聞く!聞く!聞く!
歌詞は耳で何度も聞き取って、手書き!手書き!手書き!
書いた歌詞の上に、耳コピしたコードを書く!書く!書く!(その時に使うボールペンの太さは0.38mmデス)
で、最後に。
ネットやCDに付属している歌詞カードやらで、歌詞やコードなどの『答え合わせ』をする。
このような、”時間のかかる一連の流れ”が極めて重要なのであります。(くどいけど、俺にとっては!!のハナシね。)
毎日現場に引っ張りだこのミュージシャンでもあるまいし、曲を覚えるためにたっぷりと時間をかけられるのだから。
今日は今日で、中島みゆきさんの名曲たちを手書き&耳コピしました。
中島みゆきさんのファン歴40年!という人の前で「時代」を歌う時があるなら、
「お。このヨシダというやつは、楽曲に対してちゃんと敬意を払っておるな。」
と感じてもらえるに違いない。
という自信を誇りを持って、1つ1つの歌と健全に向き合っていけたらいいなあと思うのであります。