はじめてのアコギの選び方をネットで調べて後悔した、という方はいませんか?
アコギ歴約30年のボクがアコギの選び方をアドバイスします。
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アコギは主に2種類
アコギとはアコースティックギターのことを言います。
一般的にアコギとは、鉄製の弦が張られたギターのこと。
ナイロン製の弦が張られたギターのことはガットギター(クラシックギター)と呼ばれています。
鉄弦の特徴
ジャンジャジャーンとアコギらしく弾き語りをするときの音、といえば想像しやすいでしょうか。
鉄っぽい、ジャリーンとしたサウンドが特徴です。
■おすすめのアコギ弦とは?
→https://akirayoshida.com/diary/guitar-strings
ナイロン弦の特徴
ポロンポローンとしたサウンドが特徴のナイロン弦。
ボサノヴァやラテン系音楽などでとてもよく使われているサウンドはナイロン弦によるものです。
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※吉田あきらのサードアルバムは、ガットギターと歌を同時録音した弾き語りアルバムです♪
アコギに使われている主要な素材3つ
アコギは主に木材が使われています。
木材の種類によって音色が変わります。
その1 スプルース
アコギのボディ表面に使われることの多いスプルース。
大きな音量を出したいアコギには最適の素材です。
レンジが広く、輪郭がはっきりで、しなやかな振動性が持ち味。
経年変化によって色が濃くなっていくのが魅力です。
その2 ローズウッド
アコギの側面と裏によく使われる素材。
高音から低音まで伸びやかに、実にバランスよく鳴らしてくれます。
その3 マホガニー
ローズウッドよりも、ある意味「こもった暖かさ」が特徴のマホガニーサウンド。
最近はワシントン条約により、マホガニーの代わりに『サペリ』という素材が多く使われるようになってきているそうです。
■ワシントン条約について
→https://www.digimart.net/magazine/article/2016113002304.html
アコギを選ぶときのチェックポイント
たくさんのタイプがあるアコギ。
選ぶときはどのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。
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ポイント1 実際にショップへ行く
アコギはインターネットでも購入できますが、初心者には(上級者にも!)おすすめしません。
プロのギタリストも、メインのギターはネットで購入したりはしないはず。
アコギには様々なタイプがあるので、片っ端から試奏して、実際に感触を感じて欲しいと思います。
「ボクは田舎暮らしなので、近くに楽器屋さんがないよ!」
という方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方はぜひ頑張って、”都会の大きな楽器屋さん”に足を運んでください。
その過程もまたアコギ選びの楽しみでもあるし、思い出にもなるし、そこまでする価値があると思います。
ちなみに僕も、田舎暮らし時代にアコギを求めて東京へ出向いたことがあります。
ヴィンテージギターも多く揃えている大きなギター専門店で、
「アレとコレとソレを試奏させてください」
とお願いして試奏しました。
最終的には、
「そろそろいいですか、おにーさん・・・」
と怒られて、ギターを取り上げられ、手ぶらでトボトボとお店を後にしました。
ポイント2 抱きかかえてみる
たとえ弾けなくても、様々なタイプのアコギを実際に抱きかかえてみることです。
ギターなんて持ったことがない場合でも、
「ん?なんとなくいい感じ・・・!」
と、直感が働くはずです。
1本のギターだけじゃ比較のしようがありません。
- 大きいタイプのアコギ
- 小さいタイプのアコギ
- 店員さんがおすすめしてくれたアコギ
- 見た目が魅力的なアコギ
- 密かに憧れ続けているアコギ
などなど様々なタイプのアコギを抱きかかえてください。
ギターは抱きかかえて弾く楽器です。
抱きかかえないでギターを選ぶことはできません。
ポイント3 ネックを握ってみる
抱きかかえると同じく、様々なタイプのアコギのネックを実際に握ってみましょう。
手の大きさや指の長さはひとそれぞれ、
ネックの幅やカタチもギターによって微妙に違います。
その微妙な違いはプレイに大きく影響します。
もっともよく触れる部分がネックなので、(ギター演奏中はずっと触れていることになりますよね)とても大切な部分なのです。
もちろん弾けなくても、握り方や押さえ方を知らなくても構いません。
まずは握ってください。
キュッと、ぎゅっと、握ってください。
かまぼこ板のようなシェイプのネックや、三角形のようなシェイプのネックなどがあります。
ポイント4 弾いてもらって、目の前で聞く
アコギが弾けない人も、上手に弾ける人も、「誰かに弾いてもらって、その音を実際に聞く」ことは重要です。
なぜなら!
良いアコギの音は”前”に飛びます。(レコーディングのとき、ギターの”良し悪し”は顕著に現れます・・・)
しかし、プレイしている人は、ギターの音色を”ギターの上”で聞いています。
つまり!
聞いている人と弾いている人の音は、位置が違うので音色も違うのです。
自分のためだけに弾くのもアコギの楽しみ・音楽の楽しみですが、やっぱり「聞いてもらいたい!」と思うこともあるでしょ??
ポイント5 手のひら、お腹、ふとももの振動を感じる
良いアコギはギター全体が豊かに振動します。
見た目や弾きやすさも大切ですが、アコギは楽器なので「よく鳴るかどうか」も重要です。
その判断は振動を感じること。
「んー、よくわからない・・・」
でもかまいません。
その振動を感じるために、意識してアコギに歩み寄ってみてください。
楽器屋さんに行くのは緊張するよね??
はじめて楽器屋さんに行くとき、緊張しますよね。
店員さんが怖く見えますよね。(感じ悪い店員さん、いるもんねー笑)
知らないモノがたくさんあって、居心地が悪いですよね?
でも大丈夫。
最初はそんなモンですし、それをバカにされたところで、気にする必要はゼロです。
弾けないとはずかしい?
最初から弾ける人なんていません。
アコギを弾いたことがなくても、下手くそだろうが上達してなかろうが、関係ありません。
アコギが好きで、自分にとって素敵なアコギを探したいだけなのですから。
話が脱線しますが(かなり脱線しますが!)、アコギを巧みに演奏する人は世の中にたくさんいます。
プロアマ問わず、モーレツなテクニックに圧倒されることもしばしば。
しかし。
拙い演奏だからこそ、伝わる音楽というものもあるし、音数を少なく演奏する方がセクシーで色っぽいことがあります。
上手に弾けないからと言って、恥ずかしい思いをする必要はありません。
マザーテレサやガンジー、ダライ・ラマの字が下手だとしても、それを気にする人はいませんよね!
エリッククラプトン様はキースリチャーズ様みたいに弾けませんし、ジョンメイヤー様は村治佳織様みたいに弾けません。
ギターは「気持ち」、です。「情熱」、です。「味」です。
店員さんをノせる
えらそーで感じの悪い店員さんにビビってしまうかもしれません。
しかし。
そんな店員さんを味方につけたら、とても親身になって相談に乗ってくれたり、オマケしてくれたり、今後のメンテナンスやリペアのときに力になってくれたりするものです。
(かつて俺は楽器屋のおっさんと超絶大喧嘩したことがありますが、その後何十年とお世話になり、楽器屋が閉店した今もまだそのおっさんとは連絡を取り合っています。)
試奏をお願いするときも、自分の代わりに弾いてもらうときも、店員さんの協力なしでは良いアコギをゲットすることはできない!と思うのです。
美味しいお肉やお魚を買おう!ってなときは、専門店に行って店員さんにあれこれとアドバイスをもらって買いたいでしょ??
大切なときに着るとっておきの洋服も、いわゆる”ちゃんとした洋服屋”で買いたいでしょ??
試奏をお願いするときのおすすめセリフ
僕がよく使うフレーズをご紹介しましょう。(若かりし頃の実話です)
□フレーズ1 『こんにちは。アコギを探しています。』
まずは挨拶です。
挨拶は基本!
□フレーズ2 『予算は30万円くらいまでを考えています。』
予算を伝えます。しかも高めの金額を伝えます。
店員さんの「売るぞ!」という気持ちを高めることができます。
そうすると、感じの悪い店員さんでも多少は感じよくなります。
□フレーズ3 『アコギに詳しくないので、色々と教えてもらえたらと思っています』
店員さんの顕示欲をナチュラルに刺激します。
□フレーズ4 『ボディとネックを確かめたいので、いくつか用意してもらえますか?』
本当に買う気である、ということを伝えることができます。
□スレーズ5 『すいません、少し弾いてもらえますか??』
店員さんが最もかっこよく輝く瞬間です。
念入りにチューニングして、とっておきのフレーズをカマしてくれるはず!
フレーズ6 『どれがおすすめですか?店員さんが好きなのはどれですか?』
店員さんの意見を信頼しましょう。
最終的に決めるのはもちろん自分自身です。
新品のアコギか 中古のアコギか
予算の都合や、憧れや、かっこい佇まいなどなどで中古のアコギを検討されている方もおられるでしょう。
個人的な結論としては、最初は絶対に新品を購入する方が良いと思います。
新品のアコギは鳴らない?
いいえ。鳴る新品もあります。
■新品のアコギは鳴らないはずがない
→https://akirayoshida.com/diary/guitar-mythology
中古のアコギは高い?
ってわけでもありません。
希少価値が高いアコギが、良いアコギではありません。
コレクターなら話は別ですが、大切なお金は”音色”に投資することをおすすめします。
中古のアコギはムズカシイ??
中古のアコギは様々な議論が展開されます。
そもそもユーズドとヴィンテージではニュアンスが違います。
状態が良いヴィンテージとして売られていても、実はネックが交換されていたり、ボディの割れが何度も修正されていたり。
アコギビギナーにはわからないアレコレがたくさんあるので、最初は手を出さないほうが損をすることが少ないのではないかと思います。
最大の難所!予算という壁をどう乗り越えるか
良いアコギ、とされるものは当然高価です。
でも、
『そんな予算なんてないよ!!』
な場合、どのように解決すれば良いのでしょうか。
解決策1 木の気持ちを考える
もしもアコギを長く弾き続ける意思があるのなら、少なくとも『入門用セット』などは購入しないでください。
どんなヤスモンのアコギでも、使われている木は樹齢100年前後のものです。
入門用ギターは作りが悪いものが多いので、長く弾き続けることはできません。
チューニングが合わなくなったり、各パーツに不具合が生じます。
何より、入門用のアコギの音色では満足しなくなってくるからです。
もしも自分が木なら、捨てられたくありません。
ずっとずっと楽器として鳴らされ続けられないなんて、やるせないと思いませんか?
解決策2 作り手の情熱を知る
いきなり数十万のアコギを購入するのには勇気が入りますが、素晴らしいギターを作る職人の情熱はお金で買えない価値があります。
職人によって1本ずつ丁寧に手作りされたギターを『手工ギター』と呼びますが、ぜひ手工ギターを調べまくってください。
手工ギターおすすめサイト
■ギタルラ社のホームページ
http://www.guitarra.co.jp/
■西野春平 横尾俊佑 黒澤澄雄
https://info.shimamura.co.jp/guitar/feature/visiting-maker-classic-workshop/
■佐藤クラシックギター工房
量産ギターと手工ギターの違いを説明してくれています。
http://guitar.jp.net/ryousan-syukou.html
解決策3 コンフォート原則を当てはめる
ボクが最初に買ったエレキギターは20万円。
それは15歳の春でした。
高い買い物でしたが、25年たってもまだバシバシ弾いています。
20万円のギターを25年弾いた、ってことは、
使用料=年間8000円
です。
つまり、
使用料=1日約22円
です。
1日、22円ですよ??
コンフォート原則とは、『長期に渡って使用するものにお金をかける』ことを言うそうです。
ぜひ、「長くアコギを弾き続ける!」と決めて、コンフォート原則を当てはめてみてください。
おすすめブログ
■『新品のアコギは鳴らない』は嘘っぱちである
https://akirayoshida.com/diary/guitar-mythology
■西野春平さんのアコギ
https://akirayoshida.com/diary/nishino-guitar-2006
■西野ギターとヤイリギター
https://akirayoshida.com/diary/k-yairi-michimae-nishino-guitar
■アコギの弦
https://akirayoshida.com/diary/guitar-strings
■【アコギ弾き語り論】アコギの音はマイクで拾いなさい!
https://akirayoshida.com/diary/acousticguitar-pickup
■ヤイリギター工場見学
https://akirayoshida.com/diary/yairi-guitar
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